遊離ってどういう意味だろう?

投稿日時 2007-06-09 15:12:20 | カテゴリ: バセドウお役立ち情報

甲状腺ホルモンT4、T3のお話しになると、遊離T3(F-T3)、遊離T4(F-T4)という形で『遊離』という聞き慣れない言葉が出てきます。今回はこれについて調べてみました。


実はこの言葉は高校生の理科の授業に「弱酸の遊離」という形で1度登場しています。現役お方はもうおわかりかもしれませんが、ちょっとだけ説明。
弱酸の遊離とは、通常

弱酸塩+強酸→強酸の塩+弱酸(↑)

上記のような反応を指します。だからなに?というツッコミは必至ですが、たとえば2種類の酸性の溶液があって、どちらがより酸としての濃度が高いかを調べるときに、上記のような実験を行います。結果はより強い酸が塩として残り、弱い方の酸が分離して上の方に浮き出ます。この現象を遊離といいます。

この化学現象とFT4,FT3は何の関係があるのでしょうか?実は何も関係していません(!)
上記式はむしろ「混ぜるな危険は何で危険なのか?」という状況の説明に使われます。2種類の洗剤等を混ぜると、弱い方の酸が遊離してしまうのです(KCN+HCl→KCl+HCN↑という実験をなぜか自宅で行い、HCN(青酸カリ)を発生させ死亡してしまった、という慶大生がいたそうです)。

遊離という現象の具体的イメージがついたところで、お話は戻って甲状腺ホルモンです。
ご存じの通り、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは主にT3、T4の2種類です。
これらは血液中に分泌され体内にまわるわけですが、そのとき多くの甲状腺ホルモンがタンパク質と結合します。しかし、タンパク質と結合した甲状腺ホルモンは、元来の甲状腺ホルモンとしては働きません。なので、タンパク質とは結合していない、働きをもつホルモン(活性がある、という言い方をします)を遊離T3(FT3),遊離T4(FT4)と呼びます。
バセドウ病のホームページで「FT3,FT4を調べれば亢進の具合がわかる」「FT3,FT4(検査のための数字)」などという書かれ方をされているのは、そのためなのですね。


参考リンク:医師からもらった検査結果の読み方(1)





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